満月はまた日の出王に聞きました。
「陛下のみ名はなにゆえ日の出王と申されるのですか?」

国王は答えます。「ある聖者が余のために命名したのだ。彼は余の天性を赤い太陽になぞらえたのだ。一つめに、太陽は丸く輝き欠けることはない、燦燦たる光は永劫に変わらない。余の天性も太陽と同じで、正義に満ち、永遠に欠けることはないのだ。二つめに、太陽は昇るとき、その輝きはすべての創造物を照らしだす、照らし出された万物はいささかの違いなく明らかにされる。余の裁定は太陽と同じようにいささかの違いももない、行動と言葉はすべてのものに変わりなく公平なのである。三つめに、太陽が昇ると大地が温かくなり、たくさんの花がさく。同じように、余の方が国中にいきわたれば、民だけでなく石や岩にいたるまで栄えるであろう。旭日のおよぶところ、美しい醜いを問わず、すべては照らされ余すことはない。余の行動も太陽と同じで、すべての民に公平を分かち与える。最後に太陽の宮室は永遠に変化しない。なぜならその基礎が堅固であるからだ。太陽の宮はしし座であり、その宮室ずっと動かず、けして滅亡の道へ落ちることはない。余の天性はこのようなものである。余の燦燦とした輝きは永遠に変わらないのだ。」

満月は、この王の言葉にあらためてその高潔さと、美徳を感じ、王に全力を尽くして仕えようと考え、そこで尋ねます。「お教えください、わたしは陛下のためになにができ、なにをすれば陛下を喜ばせ満足させれますか?臣下として仕えることは、自分の気持ちと異なるときも、陛下のために全力で力をつくすことと承知しております。」

王はこれに対して、自分が嫌なことを伝えます。
「お前の気持ちはよく分かった。そこで余が嫌うことを伝えよう。
一、嘘をつくこと。二、権力で弱い人々をいじめること。三、欲深いこと。四、慎みのないこと。五、せっかちなこと。六、卑劣なこと。七、性格が横暴なこと。八、手が曲がっていること(真面目でないことの例え)。九、大酒を飲むこと。十、施しを惜しむこと。
余はこの種の人間が大嫌いである。お前が余の好意を得たいのであれば、けして彼らのような性分をもってはならない。」

満月は、陛下の言葉を理解し、そして質問をします。
「陛下にとって徳のある人とはどのような資質をもっている人物なのですか?」

王は答えます。「施しは自分を世間にひけらかすものではなく、求めた人々の幸せに供するものでなければなならない。それは自分の利益のためだけでなく、また見返りを求めるものであってはいけないのだ。」

満月はさらに質問します。
「正直の根本とはなんでしょうか?人々はよく『真っすぐな道』といいますが、それはなんでしょうか?」

国王は答えます。
「真っすぐで正直な人間とは、すなわち裏表がなく言葉と心が一致している人間のことだ。正直に行動することは、人が幸福になるための必要な条件なのである。しかし、無数の人間の中に、正直者はめったにいないのだ。」

868、無数の人が歩いているのに、
    正直者はめったにいない、
869、無数の人が生きているのに、
   本当の人間がどれだけいよう。