『幸福の智恵』の説明でテュルクの古典文学という説明をしていますが、今回はテュルクについて説明したいと思います。
このサイトをご覧いただいている皆さまの多くは、テュルクは知らなくても、トルコなら知っているという方は多いのではないでしょうか?
そう、テュルク=トルコです!
トルコもテュルクもトルコ語表記では「Türk」で同じ意味となります。他にも、チュルク、トウーランなどとも呼ばれることもあります。ただし、以下のように「トルコ」は狭義の意味でつかわれることが多く、「テュルク」は広義の意味でつかわれることが多いので、翻訳本ではテュルクという表現を用いております。


[トルコ]

狭義のTürkは、アナトリア半島を中心に登場したオスマントルコ帝国の支配民族と、後継の現在のトルコ共和国とその住人をトルコ・トルコ人と呼びます。


[テュルク]

広義のTürkは、トルコ共和国を含む、ユーラシア大陸に広がるかれらの民族の総体をさし、テュルク民族、テュルク人と呼びます。Türk系民族の分布は広大で、中央アジアはもとより、西は西南アジア、東は中国、北はロシアまで広がり、各地に独立国家、自治国家、強固な地域共同体を形成しています。しかし、かれらの出自である遊牧民族の文化や言語(使用する文字はアラビア文字・ローマ字・キリル文字など各地で違います)は基本的に共通しています。またその多くがイスラーム教を信仰しています。


テュルク民族が中心に作っている国家は、トルコ共和国以外に、キルギス・ウズベキスタン・カザフスタン・アゼルバイジャン・トルクメニスタンの各共和国があります。またロシア連邦の構成国としてタタールスタン・バシコルトスタン・チュバシ・ハカス・アルタイ・サハ・トゥヴァの各共和国があります。他に、中華人民共和国では新疆ウイグル自治区内最大の民族、ウイグル族としてテュルク系民族の言語と文化を守っています。


わたしが、中国でこの本と出会ったのはここに理由があります。現在中華人民共和国の都市であるカシュガルは、11世紀はカラ・ハーン朝の支配下にありました。
通常私たちが中国人として接するのは日本人と変わらない黄色人種である漢族が多く、いわゆる普通語といわれる中国語を話しますが、西域に行くと、目鼻立ちのはっきりとしたトルコ語とほぼ同じウイグル語を話すテュルク系の人々と出会うことができます。彼らの多くがイスラム教を信仰し、漢族とは異なる文化を築いています。