ある日、日の出王が満月を宮中に呼びます。王は満月に近くに座るよう指示し、満月は王のそばに座ります。満月がそっと王をのぞくと、王は険しい顔つきで、三本脚の銀の椅子に腰かけており、手には大きな刀を持ち、左には毒、右には砂糖をおいていました。満月はそれを見ると大変不安にかられました。王は満月に話をするよう言いますが、満月は王のいつもと違う行動に恐れをなして話すことができません。それでも王は話すように促すので、満月はおそるおそる王に尋ねました。

786、満月は言った、「次のことがよく分からないのです。
   一つめに、王座の椅子がなぜ銀製なのでしょうか。
787、銀の椅子は陛下の身分にふさわしくありません、
     その意味を教えてください。
788、二つめに、陛下はどうして手におおきな刀を持っているのですか、
   その理由はなんでしょうか。
789、三つめに、陛下の右側には砂糖が、左側には毒が置かれています、
    どのような深い理由があるのでしょうか。

国王はそれに対して一つ説明します。それは先日、満月が王に非礼をはたらき、『自分が幸福そのものである』と強く言いはなった話に対して、日の出王自身の天性について満月に伝えるためでした。

799、今日余がこのように行動したのは、
     余の美徳と天性をそなたに教えるためだ。
800、見よ、余こそ正義と法である、
   これこそが余の生まれもった天性である。

そして王は話をはじめます。
「三本の脚の椅子は私の天性をあらわしている、三本の脚であるからこそ真っすぐにたっていられるが一本でも曲がれば、人も椅子も倒れてしまう。どんなものでも均衡があるものは安定し、曲がったものがあれば、悪い結果を生み出す。私の天性は真っすぐであり、すなわち正義を表している。もし正義が曲げられれば、この世は最後の日となるのだ。」
「そして、余の手のなかの大きな剣は、決断するための武器なのだ。この剣をもって訴訟を裁定し、訴える者を無駄にはしない。砂糖は事件の被害者が正義を求めるために宮廷の門に来た時、口に砂糖をふくんだように満足して帰れるように、左の毒は正義をないがしろにする悪人に飲ませるためのものである。」「そして余は必ず公平に採決する。正義は国を統治するための礎石なのだ。」