国王は引き続き満月に尋ねます
「ではなぜお前の名前は満月というのか、その意味を教えてくれ。」
満月は答えます。
「私の性格が月に似ているという理由である賢人が満月という名をわたしにくださったのです。
生まれたときは眉のように小さい月は、空で日ごと大きく高くなっていきます。それが丸くなると世界中に光を注ぎます。月は真円に達すると同時に徐々に小さくなり、美しさを失います。まさしく幸運と同じであり、どんな惨めな人間であってもわたしがその人をふり向けば彼は美しく、健康になり名声を得ます。しかし、大きな富を築き名声を得れば彼のそばから去るのです。」

740、幸運がもたらした勝者の名声は輝くばかり、
     さながら新月が満月になり世界を照らすように、
741、気ままな幸運に囚われてはいけない、
    満ちた月、あとはただ欠けて行くばかり。

「またもう一つ、月の位置は変化し定まっておらず、住まいはありません。月の宮はかに座から移動し、移動にしたがい宮は変化し、再びかに座までかえっていきます。わたしはあるとき高く上り、あるとき低く下り、来てはまた出ていき、行くときは自ら離れ世界中をさすらいます。それをみて、賢者がわたしを満月と名付けたのです。」

国王は満月の話を聞き、このような人材こそ求めていた人間だと確信し、神(アッラー)に感謝し、日々、満月の助言を求めるようになりました。